数多くの仏典の中で、簡潔に仏教思想の要点を述べているのが、『般若心経』(はんにゃしんぎょう)です。古来より今日に至るまで日本で最も広く読誦や写経に用いられてきたように、その功徳は甚大です(ただし、用いない一部の宗派もあります)。また、特定の仏様や菩薩様の信仰に限定されない内容から、各宗共通の法要儀式をはじめ、あらゆる仏教行事に用いられています。
漢訳で本文わずか262文字のお経ですが、空(くう)思想を説く般若経典を集大成した『大般若経』六百巻に対して、般若思想の要点が説かれています。正しくは「摩訶般若波羅蜜多心経」といい、偉大なる仏の智慧(摩訶般若)によってさとりの彼岸へ至るための(波羅蜜多)肝心要めのお経(心経)ということから、一般的に『般若心経』として親しまれている最もポピュラーなお経です。 |